Creative Commons 4.0 全組み合わせ解説

福田です。Creative Commons 4.0について全組み合わせ、全6パターンと特殊パターン1つを解説します。

                       

CC4.0は次のものの組み合わせで決まります

Creative Commons 4.0は、CC-BYから始まり、著作者の希望に合わせて次のようなパターンで選べます。

同じようなライセンスを再配布時に要求する場合は-SAをつける。再配布自体を禁止する場合は-NDをつける。
さらに再配布を非商用利用に限定する際は-NCをつける。
Creative Commons

CC-BY

順番的には、SAまたはNDが3つめになり、NCがNDまたはSAを併用する場合は4つめ、併用しない場合は3つめとなります。
つまり、CC-BY-(ライセンスに関する制限)-(商用利用に関する制限)となります。

CC-NC

同じようなライセンスの適用を強制するSA

CC-SA

最もベーシックなCC-BY-SA

Wikipediaなどでも利用されている、Creative Commons Attribution Share-Alikeライセンスです。
これはざっくりいうと、自分の著作物(プログラムやブログ記事や画像)をちょっといじって商売として売る本とかでも、元ネタとして自分の名前入れてくれて、かつその本を次に挙げるライセンスで配布してくれたら使ってもいいよ!というライセンスです。

  • Creative Commons 4.0 BY-SA
  • Free Art License
  • GNU Public License(GPL)v3

どちらもフリーライセンスです。ただし二次製作者がGPLv3を適用した場合は、三次製作者以降はCC-BY-SAを適用してはならないという決まりになっております。

二次制作を商売には使って欲しくないけどBY-SAを適用したいなら

Creative Commons Attribution Share-Alike Non-Commerce(CC-BY-SA-NC)ライセンスというものがあります。
これはざっくりいうと、先ほどのCC-BY-SAに加えて商売目的利用を禁止するものです。
商売といっても、コンテンツを利用してユーザーから直接利益を受け取る場合のみこの禁止条項に当てはまるので、アフィリエイトやブログなどで利用する場合には基本的には引っかかりません。とは言え、訴訟リスクを回避したいのであれば使わない方がより賢明と言えるでしょう。

実際のところ、商売目的コンテンツにCC-BY-SAが適用されているものを利用するのは(収益性の面からも)嫌がる著作者も多いので、これをわざわざ適用する必要性は少ないと思います。もっとも、あなたが作っているそのコンテンツ自体有料であれば話は別ですが。

ちなみにフリーミアムの場合のセーフライン・アウトなラインはCC-BY-NCに書きました。

もう自由に使っちゃって!というライセンスもあります

自由に使っていいライセンスはCC-BY-SAからSAを取り除いたCC-BYかCC-BY-NDとなります。

Creative Commons 4.0の中では最高自由度のCC-BY

CC-BYはつまり先ほどのようなライセンス強制もありませんし、一次製作者の名前を付加するだけで二次利用・制作ができるというものです。ですから、極端な話それを二次制作とかして「転載禁止」もできますし、あるいはBSDライセンスなどを適用することもできます。一次製作者の皆さんも安心してください、基本二次制作をした側が「転載禁止」にしたとしても製作者の名前を書かねばならないので、逆に「パクられた!」と言われる確率は低いです。ただし、相手がライセンス違反をしていた場合は話は別になります。その場合は他のライセンスと同様、証拠を整えた上で交渉か、裁判などで争うことになります。

商用利用などで本に使ったとしてもコンテンツを公開しない選択肢も取れるので、正直なところ僕はこのライセンスはちょっと…って感じです。そこでND。

CC-BY-NC

CC-BY-NCは先ほどのライセンスに加え、商用利用を禁止するものです。
これであれば、無料で再配布するのであればどのようなライセンスを使っても構わないという意味ですから、日本でいうフリーウェア(ソースは公開しないけどタダで売るみたいな。著名な例がBVEなど)に適用できます。フリーミアムであれば、無料で見られる部分にこれを適用しているのであればセーフです。

問答無用で二次制作禁止!ならND

CC-BY-ND

CC-ND

つまりこれは改変しないでそのまま文章を丸コピで掲載しろってことです。さらに当該サイトに関してはそれ以上(三次制作以上)の転載禁止を適用させるということです。
仮にCC-BY-SAやCC-BYなどで意図しないような改変(不名誉になるような改変)が行われれば、著作者人格権の侵害として訴えることは可能ですので、それを実現するためにわざわざこれを適用する必要は無くなります。

一つ、このライセンスがブログなどで効果を上げるとしたら、最近SEO界隈などで問題視されているキュレーションメディア「WELQ」などの対策ですね。あのサイトはいろんなサイトから情報を取ってきて、それをリライトして著作元表記を乗せずにまとめてしまうので非常に問題視されています。それに対抗するとしたらこのライセンスですね。改変禁止を明示していますから、万一そういうメディアに転載された場合にDMCAの行使や裁判提起などが可能になります。裁判ですと相手が相手ですし、強い弁護士を立てて来る可能性がある上にリライトされてしまっているので立証は難しいですが、DMCAは実際に検索結果からの削除が実現している例が2016年11月18日現在で35件もあるので有効です。

CCライセンスの中で最も厳しいCC-BY-ND-NC

これは改変せずなおかつ商売目的での利用を禁止するということです。最も、これを使う理由はあまり見当たりません。なぜなら本などに再利用する余地がないからです。わざわざこれらの条件をクリアしてまで再利用する方はほぼゼロと言って差し支えないと思います。実質”All rights reserved”です。使う価値は論文とか、あとはなんでしょう、ちょっとでもいじられて売られると面倒なものでしょうか。

特殊ライセンス

cc0

CC0というものがあり、これはいわゆるパブリックドメインです。
パブリックドメインの概念+著作者人格権放棄したものを言います。
さすがに僕はブログコンテンツにCC0を適用するのは恐ろしくてできませんね(なんでもありになってしまうので。自分のもんだと主張することもできますし、本当になんでもあり)。

つまり

  • 改変オッケー
  • 商用利用オッケー
  • 丸コピオッケー
  • あなたがライセンスをどうしてもいい
  • 引用元表示しなくていい

こんな感じになっちゃいます。本当にどうでもいいコンテンツじゃないと恐ろしくて使えませんわ…

まとめ

僕的にはCC-BY-SAかCC-BY-SA-NCをお勧めします。僕のサイトもCC-BY-SAを使っています。
とはいえ、こう言った幅の広いまとまったライセンスがあるとなかなか選ぶ余地があって、それでいながらいちいち定義する必要がないので楽ですね。ありがたい。

基本的にライセンスは最新版を使うべきですので、過去のライセンスに関してはこの記事では触れません。
全ての画像はCreative Commonsより引用。

この記事は最終編集から一年以上経過しております。この記事に書かれた内容をご利用・実践される際は十分ご注意ください。

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