アメリカの積極的心理的危機介入に感動!日本のすべての学校は見習うべし

福田です。アメリカに来て、まさかの近親者を亡くすという経験をしたのですが、その際にアメリカの高校の対応、危機介入が日本よりも優れていたのでご紹介させていただきます。なお後半はほとんど自分語りです。

                       

呼び出しがかかる

まず、どこからか家族が亡くなるとか、そういうなんていうか、下手したら病みかねないような、危機的状況という情報が耳に入ると、授業中にスクールカウンセラー(アメリカではカウンセリングセンターといい、授業の時間割の策定、悩み相談などスクールカウンセラーが幅広い業務をこなしています。なお当方の学校では2名体制で行っているようです)からクラスに電話が入り、途中で授業を抜けてくるように呼び出されます。それで、行くとまあ皆さんご想像の通り事情聴取を受けます。ちなみに知っているケースでは死別・訳あり(昔の僕のような。自虐で訳ありと書いています)な方々がカウンセリングセンターからありがたいお呼び出しをいただけるようです。どうでもいいけど、ミシガン州では予防接種はほとんどが義務で、期限までに受けて証明書の発行がなされないと、州法によって予防接種を打つまで強制的に登校が禁止されます。はい。

事情聴取の内容

ざっくり、超意訳で内容を書いていきます。以下僕はT(akuro)、カウンセラーさんの方はC(ounselor)と表記します。

カウンセリング

C: お元気ですか?
T: んまぁ元気だけど悲しいね、うん
C: あー聞いたよ、おまえんとこのばーちゃん亡くなったんだってね?超お気の毒に。(某家族の続柄)大好きだったの?
T: そう、ありがと。うん、(某家族の続柄)っ子だったんで、めっちゃ堪えました。まーあれからというものの睡眠の質が落ちたというか不眠的な感じになってしまったのが地味にイラついてます。
C: そうかーそうかー。まあ、うん、ね、死別は誰にでもあるわけだし、辛いよね。でも、それらは至って正常な反応だから大丈夫よ。でも、もし授業にならないくらいしんどければここに授業中でもいいから来てね。あと、どうしようもなくしんどいときも来てもいいよ。あなたのそばにいるカウンセラーがいます。あともしほんっとうにヤバければ医者も紹介するからね(これは言われた気がするだけ?)、安心してね。全力でサポートしますから今後ともよろしく。
T: あざっす。

的な感じです。たったこれだけなので、僕は「なんだよ!もっと突っ込んで話すんじゃねーんかい!!!」って頭の中で思ってしまいました。でも、心強さを感じることができました。

他にもサポートが得られる

なお、これだけではなく、他にもサポートを得ることができます。一部のクラスでは、クラス全員の手書きお悔やみレター(当然ほとんどが英語、日本人が運良くいると日本語もあったり)がもらえたりします(同様に、親切なクラスだとバースデーケーキやバースデーカードももらえます)。このお悔やみレター、電報がわりに母に見せたところ、僕と同様にありがたい気持ちになれましたし、僕はそれに加えて安心というか慰めを得られた気がしました。

個人的な心理状態の経過

お節介ながら個人的な心理状態の経過を述べさせていただきますと(上のやつを読む際の参考までに)、まず急変からの訃報の旨が近親者よりメールで入って、即確認ののち国際電話をかけ(こういうこともあるからH2Oの無制限日本の固定電話宛て国際電話は便利だと痛感しました)、そこで過呼吸になるぐらい大泣きしました。15分ぐらいバカ泣きしたあと、よりによってこのタイミングで留学したことへの後悔(別記事にまとめました)、アメリカ行き以外を選んでいれば看取れたことへの後悔、帰って最後の別れを告げたい気持ち、そして安らかにいってくれたことへの安堵などが出ました。もちろん、その連絡から3日くらいは後追いをしたいとも思いましたが、ここアメリカで実行するのは各方面で大迷惑が被ることも考えて我慢していました(今はあきらめがついたというか、いろいろ落ち着いてその考えは消えましたが)。で、告別式でのビデオでの参列?などを通したうえで燃されてしまったあとは先ほども書いたように諦めがついたのか、それなりなところに安定しましたが、時々虚しくなることもあります。なんで僕はここにいるんだろう、って。そんな感じで、まだ傷心気味ですが、それなりな通常運転に戻っています。こっちにいたら喪に服すこともあまりそういう感じがしないので、いやなんか癪なので、普通にやっています。ソフトウェア開発だけは控えていますが。
でも、ただでさえ寝るのがクソ遅い(&寝起きが悪いw)僕の睡眠習慣が崩れて、スマホを触ってもいないし何もしてないのにずっと寝れない時もあります(時計を見るとひどい時で4時とかある)。なのに、布団から出た途端に and/or 一旦寝付いた後に起きると、眠気が酷すぎて大変なんですね。これが。どうにかならないものかと。

まとめ

日本はなぜか助け合い主義なのに、訃報を聞いても「御愁傷様です」「お悔やみを申し上げます」ぐらいでおしまいで、近所や故人と親しい人ぐらいしかそこから踏み込んだことはしないし、それに学校の問題に関連すること以外でカウンセラーに呼ばれることなど、自発的にしない限りはほとんどないですね。個人的に経験した限りではそう思います。それや見栄が隠蔽体質や病む原因の一つになっているのかもしれません。
ですが、アメリカでは、日本とは違い、個人主義なのですが、こういった学校外の危機にも、積極的に心理的介入(サポート)をします。学校生活に関わりそうなことには本当にガンガン介入してきます。いい意味で。それらに加え、生徒-先生-親の三角関係の意思疎通がしっかりしています。これが故に、成績や態度がアレだと親に速攻知られることになり、非常に鬱陶しいのですが。さらにそれにとどまらず、不幸の最中にいる生徒(生徒が当事者ではない)に対してもお悔やみレターのようなものも書いてくれる親切さもありますし、なんというか助け合いがしっかりしているな、と思いました。また、ボランティア精神がしっかりしているのもすごいな、と。学校や個人が進んでホームレスに不要な食べ物をまとめて差し上げたり、いくらか渡したり。あまりこういったことは日本では見かけないですし、日本も見習ってほしいものです。

そしてもう一つ最後に驚いたことを言わせていただければ、「障害を持った子も、持っていない子も、天才も同じ一つ屋根で学ぶ」これは理想でもなんでもなく、うちの高校がそうです。実際障害を持った子も、別教室ながら同じ施設内で学んでいますし、時々リサイクル用品の回収などで目にします。すれ違いもします。これによって、障害者嫌悪が少なくなっていると思っています。ちなみに僕は元から誰一人として差別はしない人間だと思っています。ただし、意図せずして傷つけたりしてしまうことはよくあります。

私自身が住んでいる町は超リベラル(選挙時も学校内の模擬投票で89%を誇るような圧倒的クリントン支持でした)な町なので、それもかかっているのかもしれませんが、とにかく日本の、クソみたいな隠蔽体質などで終わりかけている学校教育と違って、素晴らしい点がよくあると思いました。医者や税金、それに一部地域の治安などは大変そうですが、それを引いても暮らしやすそうな国です。こうして私はさらに移住したいと思う気持ちを強めていくのでした。おしまい。

あと私事ですがSpendwalletに投資しました。4月に到着後、学校のクレカ対応自販機や帰国後の生徒証出席確認などで使い、レビューしようと思います。次は…Walli、Ringですね。あとスマートグラス。

この記事は最終編集から一年以上経過しております。この記事に書かれた内容をご利用・実践される際は十分ご注意ください。

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